そう、桜井先輩はここで降りなきゃいけないのに、乗ったまま電車は進んでいく。



ここで、やっとその自体に気付いた私は、窓に向けていた視線を桜井先輩の足辺りに向けて。



「すみません!!」



とにかく、謝った。



私はそこで降りても、次の電車に乗ればいいだけだったのに。



なのに、桜井先輩に助けてもらっちゃったから、迷惑をかけることになった。



申し訳ない気持ちでいっぱいになって、桜井先輩の顔が見れない。



すると、私の頭に何かがあたった。



っていうか、のった?



そう思うと、私はいつのまにか桜井先輩の方を見ていて。



目の前には私の頭に手をのせて笑う桜井先輩がいた。



「片岡が謝る理由なんてないよ?助けるっていうか、片岡困ってたからさ。結果片岡は乗ったままでよかったじゃん」



「で、でも...」



「あーもー。なんでいっつも自分が悪い悪い思うの?片岡もっと自分に自信持てって」