外を見てみると、ちょうど3階にある美術室から見えるところでサッカー部が練習していて、私は無意識に桜井先輩を探していた。
「....あ」
桜井先輩を見つけて、思わず声を出してしまった。
でもみんな集中していて、こちらには気付いてない様子。
よかった、と安心してもう一度運動場にいる桜井先輩に目を向ける。
私がしたらすぐにきつくなりそうな練習を、笑ってこなしてる姿に、思わず思った。
“かっこいい...”
そんな桜井先輩に見とれていた。
すると、ふとした瞬間だった。
「...え」
今、一瞬桜井先輩と目があった感じがした。
もしかして、こっちを見てた?
ないない、こんな3階の教室を見るわけないよね。
全く、どれだけ自惚れてるんだろ。
自惚れてしまうのも、恋のせいなのかな。
初恋に、まだまだ慣れない私はそういう結論を導き出した。