1位だったのは、ずっと学年1位で桜井先輩がすごいって言っていたあの人だった。



点差は、たったの1点。



しかも、私は凡ミスで2点を落としていたから、そこさえあっていれば、1位だったのに。



2位じゃ、ダメなのに。



1位じゃなきゃ、意味がないのに。



それまでの期待は一気にどこかへ飛んで行った。



寝る間も惜しんで勉強した私の頑張りはなんだったんだ。



私にはもう、どうやって頑張ればいいかわかんないよ?



桜井先輩にはやっぱり近づくことなんてできないんだ。



そう思って、掲示板を後にした。



教室に戻ると、クラスのみんなが「すごいね」って言ってくれて、先生も「よく頑張ったな」と褒めてくれた。



2位という順位は、今までで一番良いし、うれしい。



でも、その嬉しさよりも1位をとれなくて桜井先輩の視界に入れないことの悲しさの方が大きくて。



みんなの祝福の言葉に、作り笑いで返すしかなかった。