「なんで私がそんなこと聞かないといけないわけ?一ヶ月我慢したんでしょ?一回くらいわがまま言うくらい、先輩は許してくれるでしょ」
「嫌だ。蓮先輩の重荷になりたくない」
「だったら、一人でいるときに叫べばいいじゃん。これ以上言うなら、口にガムテープ貼るからね」
ひ、ひどい...。
って、ガムテープなんて持ってないじゃん!
そう思って口を開こうとしたら。
カバンから何かを取り出した明日香の手に、ガムテープがあった。
「へっへっへー」
悪い顔をして明日香がこちらを見ている。
「わかりましたよ、我慢しますよ」
「よろしい」
そんな時だった。
「ん?美音の携帯鳴ってない?」
「あ、本当だ。あ...」
「あ...?」
「蓮先輩から、メールだ...」
「良かったじゃん、美音の気持ちが伝わったんじゃない?」
久しぶりの蓮先輩からのメールを、少し緊張しながら開いてみる。