こんな格好、似合わないと言われると思っていた私は、反応に困った。
でも、似合うって言われるのは素直に嬉しかった。
それから通しは順調に進み、いよいよクライマックス。
「...たとえ、お父様が反対しても、私は貴方について行きます」
「姫...。本当に王族でない、僕でよろしいのですか?」
「もちろんです。貴方以外なんて考えられない。私は貴方じゃなければいけないのです」
そしてここからが、フリのキスシーン。
今まではただ場所指定だけされて、フリまではしたなかったけど、今日は通しだから顔を近づけないといけない。
ま、相手は俊ちゃんだから、特に気にしてないんだけど。
「...姫」
それが、キスの合図。
真剣な顔をした俊ちゃんが近づいてくる。
俊ちゃんは客席に背を向けて、私は客席の方を向いている。
目の前に来たのを確認して、目を閉じる。

