「ま、わからないなら、本人に聞けばいい話じゃん?」



なんだかニヤニヤしながら言う明日香を見てると、明日香にはわかってるんじゃないか?って思えてくる。



だから念のために。



「明日香、わかってるでしょ?」



「んー?なんのことだかー?」



こういう時の明日香は、絶対に嘘をついている。



でも、一回こうなったら本当のことは言わないから、自分で聞くしかないか...。



「いいや。自分で聞くよー」



「ははっ、そうしな!」



バシッ。



笑いながら背中を叩かれた。



むっ。



ギロリと明日香を睨みつけると、「ふふんっ」なんて言って知らんぷりされた。



教えてくれたっていいじゃんー。



3年生の教室の前。



ここまで何も考えずに来たものの...。



どうやって声をかければ...?



タオルを渡す時は後藤先輩がたまたまいてくれたから良かったけど。