「...え?」
今、私が一番望んでいた言葉が聞こえたような...。
いや、そんなわけあるわけ、ね。
ついに、望みすぎて幻聴が聞こえ出したか。
「俺は、片岡のこと好きだよ」
「・・・」
え、もしかして、これって幻聴なんかじゃなくて...。
現実?
「本当、です、か?」
「うん、本当。祐奈と別れたのは、片岡を好きになっちゃったからだし」
「え...」
ってことは、そんなに前から?
全然気づかなかった。
「私は...」
「うん?」
「私は、あっ私も、蓮先輩のこと好き、です」
もしかしてこれって、両想いってやつですか?
本当に?
「ははっ」
蓮先輩の笑い声が聞こえたと思ったら、月の少しの明かりも見えなくなって。
その代わりに温かさを感じた。
「すっげー、うれしい...」
今、蓮先輩に抱きしめられてる...。