だから教室に戻ったのに。
「...え?」
「「...あ」」
なんでまだいるの?
蓮先輩と篠原先輩。
あ、そっか。
倉庫に行く途中の楽しそうなみんなの声はもしかして。
後夜祭に向かう途中のワクワクした声じゃなくて。
劇の最後みたいな、二人の、蓮先輩と篠原先輩が付き合ってることを喜んでいた声だったんだ。
「え、っと...あの。失礼、しました」
ここに私はいるべきじゃない。
二人でいるのに、私がいちゃダメでしょ。
荷物は朝はやくきて取りに来ればいいや。
そう思って、教室に入っていた片足を戻して走って逃げようとしたのに。
「待って!」
なんで手を掴んで止めようとするの...蓮先輩。
あ、もしかして私が泣きそうなのに気づかれちゃった?
でも今は、泣きそうな人を放っておけない蓮先輩の優しさが嫌だよ。

