行事はしばらくなくて、蓮先輩と関わる機会は今まで通りかそれ以下な暑さが少し引いてきた季節。
ろうかとか窓から外を見るときに、一方的に見ることしかなくて、少しさみしい。
いや、正直言うとものすごくさみしい。
なんて思いながら一人で歩いていた放課後、部活へのろうか。
窓の向こうには渡り廊下が見えるんだけど、そこには蓮先輩の姿があった。
後ろ姿だったけど、すぐに蓮先輩だってわかる。
“好き”のパワーってすごいな、って感心する。
でも、蓮先輩を見つけた喜びなんてすぐに打ち砕かれた。
だって...。
隣には、可愛い女の子。
見たことはあるけど名前は知らない、3年生の女の子。
祐奈ちゃんとは違う部類の可愛さがある女の子。
学校の渡り廊下では、カップルが放課後にたまにいるのを美術室に行くときに見かける。
ってことは、付き合ってるのかな、二人は。