なんだか、胸の奥の方がズキンとした。
せっかく昨日、蓮先輩はフリーだって知って、浮かれてたばっかりなのに。
もう好きな人がいるってわかっちゃうなんて。
あ、でも、そういえば夏祭りの日、『好きな人がいるから』って告白を断ってたんだっけ。
なんだ、その会話からわかることじゃん。
私はなんてバカなんだろう。
きっと、神様だって笑ってるんだろうな。
そんなことを考えていると、階段を上っている途中なのに足が進まない。
下から声が聞こえてくるってことは、もう少ししたらここに蓮先輩たちが来てしまうってことなのに。
行かなきゃ、行かなきゃ。
頭の中ではわかっているのに、どうして足は動いてくれないんだろう。
「あ、片岡ちゃん」
後藤先輩の声がする。
その声に反射的に体が後ろを振り返る。
今までは動かなかったのに、なんでこんな簡単に...。

