初恋は叶わない。




「俺、今彼女いないよ。祐奈とは付き合ってない」



「・・・」



え?



いや、だって。



そんなことあるわけ...。



「...本当ですか?」



「うん、本当」



「いつ、ですか?」



「前、祐奈と喧嘩してるところ見られたじゃん?その後」



「え、それって。...すっごく前じゃないですか!」



長い期間、私はずっと勘違いして生きてきたわけだ。



ばかまぬけおたんこなすっていうのは、やっぱり私にはあってるらしい。



っていうか私、なんでそんな長い期間知らなかったんだろう。



「じゃ、じゃあ、話は以上です!さよなら!」



「え、ちょっと」



図書室から出てダッシュ。



明日香と俊ちゃんが待つ、靴箱へダッシュ。



「あ、美音」



「どうだったの?」



「はあ、はあ、ううー」



運動ができない私が、長い距離を休まずに走ってきたんだ。



息切れがしないわけがない。