だって、手を繋いでるんだもん。
好きでもない人と手をつなぐなんて、ないよね?
「片岡?」
「え?!」
後ろから名前を呼ばれて驚く。
そこには蓮先輩の姿があった。
あ、そうか。
先に蓮先輩が来ているって決めつけていたけど、私の方が早かったんだ。
「あ!ちょ、はやく図書室に入りましょう!」
祐奈ちゃんの今の姿を見せちゃいけない気がして、窓の外を見られないように背中を押して図書室に入る。
図書室の先生は不在で、少し安心した。
「片岡どしたの?」
「な、なんでもないですよ!」
「え?何かあるから呼んだんじゃないのか?」
「あ、違います!何かあります!」
どうして急いで図書室に入れたのか聞かれたかと思った...。
「で?どしたの?」
今の蓮先輩は、いつもの蓮先輩だから良かった。
ええいっ、さっさと言ってしまおう!