図書室は別館にあるから、結構歩かないといけない。
その分、ドキドキが増してる気がする。
これだったら、もう少し近い場所にすれば良かったな。
もうすぐ、図書室。
でも、まだ心の準備が出来てなくて窓の外を見てみる。
笑い合いながら歩いていたり、急いで走っている人がいる。
そんな普通の風景を見ているとなんだか落ち着いてきた。
「よしっ」
図書室に入ろうと扉の方を向いている途中。
目の端っこに映った風景に動きが止まる。
気のせいかと思って確認するためにもう一度窓の外を見てみる、と...。
「・・・」
気のせいなんかじゃなかった。
私の目に映っているのは...。
男の子と歩く祐奈ちゃん。
蓮先輩じゃない、男の子。
なんで、祐奈ちゃんには蓮先輩がいるのに。
祐奈ちゃんが二股なんてするわけないよね?
でも、これはどうやら事実らしい。