バンバンバンバンバン!
大きなたくさんの花火が打ち上げられて花火は終了した。
でも、その花火のまぶしさでさえ、私の心の中を明るくすることはできなかったみたい。
「じゃ、帰ろっか」
途中で明日香とわかれて、一人で歩く帰り道。
「...あの、私、桜井先輩のことが好きです」
そう言う女の子の小さな声がした。
告白、だよね?
っていうか、こんな時にする人いるんだ。
ん?
桜井先輩って言った?!
気づかれないように声が聞こえる方に近づいて耳をすます。
「安倍さん、だっけ?ありがとう。でもごめん。俺、好きな人いるんだ」
「そうなんですか...。わかりました。すみません、こんなこと言っちゃって」
この声は、確かに蓮先輩の声で、女の子の方は2年でトップを争う可愛さって噂の安倍さんの声。
そんな人にもモテちゃうんだ。
その後2人がいなくなったのを見計らって、電車に乗って家に帰った。

