一つ上の学年の蓮先輩に、少しでも近づけるように。
って言っても、蓮先輩に会えるかわからないし、もし私が気付いても蓮先輩が気付いてくれるかもわからないんだけどね。
「美音!」
そうやって、待ち合わせ場所にいる私の方に走ってくる明日香。
履き慣れない下駄なのに、走ったらこけちゃうよ?
まあ、そんなところも可愛いんだけど。
明日香は可愛らしいピンクの浴衣を着ていて、すごく似合っていた。
明日香みたいに似合う自信がない私は、ピンクにしなくてよかった、と思う。
空を見ると日が傾き始めているオレンジで、周りには私たちみたいに浴衣を着ている女の子や祭りに向かっているような人たちが何人かいる。
「じゃ、行こっか。蓮先輩に会えるといいね」
「うん!」
少し胸を躍らせながら、祭り会場へと進む。
祭りの最後くらいになったら、花火が始まるらしい。

