この空気がなんだか嫌で、何か話そうとは思うんだけど、話題が出てこない。



でもそんな時、口を開いたのは蓮先輩。



「あー、負けちゃったなー」



「・・・」



そう言った蓮先輩に、何か返さないといけないのに、なんて言っていいのか...。



「タオルせっかくくれて、頑張らないとって言ったの俺なのにな。ダメダメだった」



でも、それは違うと思う。



「違います!蓮先輩は、ダメダメなんかじゃありませんでした!カッコよかったです!」



「カッコよかった、か?」



つい、口を滑らせて“カッコよかった”なんて言ってしまった。



「え、いや、その...」



「ははは!」



でも。



こうやって笑った顔が見れたからいいかな、って思うんだ。



でも、でも。



「辛かったら、泣いてもいいと思いますよ」



なんだか、笑っている顔が泣いているようにも見えたから。