6、5、4、3...。
蓮先輩がボールをゴールに向かって蹴る。
2、1...。
ピッピー。
最後に蓮先輩が放ったシュートは、カンッと音を立てて...。
入らなかった...。
「あー。引き分けだったねー」
「...うん」
試合が終わって、こっちの学校の人たちがいる方に行ってみることにした。
すると、みんな、泣いていた。
3年生は“今”でもう終わりなんだ。
でも、蓮先輩は泣いていなかった。
しっかりと現実と向き合うような強い目で、後輩を見ていた。
引退の話も終わり、みんな次々帰っていく中、蓮先輩がこちらに歩いてきた。
「美音、私、先帰ってるね」
それに気づいて、気を使ってくれたのか、明日香は私と蓮先輩を二人にしてくれた。
でも...。
なんて話せばいいのかわからない。
蓮先輩も私と並んで歩いてはいるけど、口を開かない。

