振り返ると、そこには後藤先輩の姿があった。
「片岡ちゃん、なにやってんの?」
「あ、え、えっと...」
少し焦りながら、蓮先輩の方を見てみる。
すると、後藤先輩はそれに気づいてくれたらしく。
「あ、蓮ね。ちょっと待ってて」
そう言うと、教室に入っていって蓮先輩に話しかけた。
それから、蓮先輩がこちらを向いてニコッて笑って歩いてくる。
あ、やばい。
ドキドキ、ドキドキ、ドキドキドキドキ...。
「片岡、どした?」
いつものイケメンスマイルで聞いてくる。
ま、眩しい...。
ってそうじゃなくて、お土産だよ、お土産!
「実は、これ...」
そう言いながら、蓮先輩に綺麗に包装されたタオルを差し出す。
「...え?」
「はい、あの、修学旅行でそこにしかない限定のって言ってたので、お土産としてどうかなー、と」
恐る恐る蓮先輩の顔を見てみる。