「え、絶対やだ!」
ただいま、文化祭の劇の配役についての話し合い中。
全クラス劇をしないといけないってわけじゃなくて、喫茶店とかお化け屋敷とかをするクラスもあるんだけど。
劇なら裏で働くのも楽しそうだし、いいかなって思ってたら...。
「じゃあ、ヒロインは片岡さんでいいですね?」
話がどうやって進んでいったか、聞いていない私も悪かったんだけど、ヒロインって何?!
しかも、恋愛の劇って、意味わかんないし!
「なんで私がヒロインなんてしなくちゃいけないの?!」
「だって、みんな美音がいいって言うんだもーん」
楽しそうに明日香が言う。
何よ、他人ごとみたいに。
「私はヒロインなんてしたくない!っていうか、裏方がいい!」
「そーんなこと言っていいのかな?」
明日香がニヤリと笑う。
そして私の耳元で...。
「桜井先輩に、メアド教えてもらうようにうながしたの、思えてないのかな?」
「あ"、そ、それは...」