あ、そっか。



昼休みに先生に呼ばれてるってことは、お昼ご飯も明日香いないんだ。



無事蓮先輩に渡せたら、あおちゃんといっちゃんとお弁当食べようかな。



よし、頑張れ頑張れ。



すぐ行って、渡して、帰って来ればいいんだ。



そう自分に言い聞かせながら、階が違う3年生の教室に向かう。



『あれ、なんで2年生がいるの?』とでも言ってきそうな視線を感じながら、どうにか蓮先輩の教室も前に着いた。



と、ここであることに気がつく。



これって、どうやって呼んだらいいの?



蓮先輩の姿は見えているけど、後ろ姿だからアイコンタクトでこっちに来てもらうことはできない。



それに、大声で呼ぶなんて勇気、私にはないよ...。



結局は教室のドアの前で立ち尽くすだけで、動けない。



無理だ、帰るしかない。



トントン。



諦めて帰ろうとした時、肩を誰かから叩かれた。