これ以上動かないほうがいいのかな、って思って黙ったまま立ち止まってみる。
でも、それじゃあそわそわしてきて、早く見つけないとってすぐに動きだす。
都会で修学旅行で来た高校生が迷子で焦ってるなんて恥ずかしくて、平然としているふりをして歩く。
けど、頭の中はパニックで。
どうしよう、どうしようって何回も言ってる。
このままみんなに会えなかったらどうしよう。
方向音痴の私だから、集合時間に1人で元の場所に戻るなんて無理だよ?
俊ちゃん、俊ちゃん。
「...俊、ちゃんっ」
「なーあに?」
後ろから、求めていた聞きなれた優しい声。
「勝手にどっか行くなよ。心配すんだろ?」
今まででもずっと、私にとってはお兄ちゃん的存在だった俊ちゃん。
だけど、今までには比べ物にならないくらいもっともっと、お兄ちゃんに見えた...。

