「え?」
予想していた質問と違って、驚く。
「だって、始まる前にあの棒は捨てて、他の棒を必ず取れるようにしようって後藤先輩言ってたじゃん」
「......り、りありー?」
そんな、結構一人で頑張ってたのに。
3組の人が他の棒に集中してたのは、それが理由?
「うん、本当」
「うっそー?!」
明日香がそう答えると、反応したのは桜井先輩だった。
ものすごく、笑いながら。
「え、そんな笑わないでくださいよ!」
「ふっ、ははははは‼︎わりぃ、わりぃ」
謝ってるのに、全然気持ちが伝わってこないのは、笑いながら言ったからだろう。
っていうか、気持ちなんてこもってない!
「しょうがないじゃないですか!だって、桜井先輩が...あ、じゃなくて。まあ、いろいろあったから後藤先輩の話が耳に入ってこなかったんですもん!」
危なかったー。

