初恋は叶わない。




思い出して、急に大きな声を上げた私に桜井先輩は目を大きく開ける。



でも、すぐに表情を戻して口を開いた。



「生徒会ので遅れちゃってさ、やっと来れた時には俺の出るはずの第1回目が終わってたんだよね。だから、先生に言ったら第2回目に出ていいぞ、って」



「そうだったんですか」



生徒会で遅れたことで、桜井先輩と話すきっかけができた。



桜井先輩にとっては、第1回目に出たかったなって気持ちが大きいのかもしれないけど、私にとっては嬉しいこと。



自分勝手でごめんなさい。



でも、恋愛ってこういうものですよね、神様?



「美音ー!」



ここで第2回目が終了したらしく、明日香が走ってきた。



「明日香お疲れ。第2回目、3組勝ったみたいだね」



「うん、やったね。ってそんなことより...」



え、私がどうして桜井先輩といるかって?



「それは...「どうしてあの棒に走って行ったの?」