そう思って、周りを見てみるけど、みんな別の棒についている。
あともう少しで、ラインを越えて相手の得点になってしまう...。
「もう無理...「よーいしょ!」
私が諦めかけた瞬間、声と同時に棒の進む方向が変わった。
「え?」
引かれていたはずなのに、引く側になっていることを不思議に思って声が聞こえた方を向いてみる、と。
「ちゃんと前見てないと、取られるぞ?」
...ん?
「え、ちょっ、ななんでです?!」
そこには、桜井先輩がいた。
「なんで、って言われてもな」
そう言うと、より一層引く力を強めて、相手をずるずると引いていく。
「うわー、引かれるー」「力すごっ」っていう声が4組の3人から聞こえてくる。
っていうか、本当になんで?
さっきまでいなかったのに。
そのまま99.9パーセント桜井先輩の力で、引いていた棒はこちらの得点になった。

