でも、第2回目がもう始まってしまう。
こんなんじゃ、張り切ってた棒引きも頑張れないよ。
『はじめー!』
でも、そんな私の心の声なんて聞こえるわけもなく、始まってしまった。
でもでも、やっぱり頑張らないと、って。
どこかで桜井先輩は見ているかもしれない、って思ったから...。
走った。
素早く動かない足を頑張って動かして、棒に向かう。
棒に...届いた!
ここからは、引くだけ。
でも、それを黙って見過ごすような競技じゃない。
4組の人が3人で私が引こうとしているのを阻止してくる。
1人対3人って、無理に決まってる。
しかも、男子もいるのに。
このままじゃ、自分が引けないのはもちろん、逆に相手に取られちゃうよ。
「....ぅぅぅ」
それでもどうにか、相手の得点にはしないように、と粘るけど、ズルズル引かれていく。
ちょっと、3組誰か手が空いている人いないの?!

