そして桜井先輩がゴールに向かって蹴ったボールは...。
「...決まった」
ピピーッ。
そこで試合は終了、見事に勝った。
その日の夜。
ベットに寝転びながら、今日の試合を思い出す。
「桜井先輩のシュート、すごかったな」
俊ちゃんとの良い連携プレーだったけど、私の頭に繰り返されるのは桜井先輩のシュートだけで。
寝るまでずっと桜井先輩のことを考えていた。
それからの部活の時間は、絵を描き終わったけど、まだ風景画を描く期間だから、美術室にいても暇だし、外に出てサッカー部を見ていた。
今日は運動場を何周も走っていた。
きつそう、体力がない私には絶対無理だな。
なんて思っていたら、休憩時間。
桜井先輩、と俊ちゃんがこっちに向かってきた。
「絵、できた?」
「できましたよ。やっと完成したし、この前の試合ゴール決めてたので、どうぞ」