「「きゃあああ!」」
女の子達から黄色い声があがった。
さ、さすが...。
私も気持ち的にはその女の子達と同じなんだけど、あんなオープンに気持ちを表現できない。
お見事です、と心の中でつぶやいて、静かに拍手を送る。
『位置について、よーい』
パンッ。
そして、桜井先輩は走り出した。
がんばれがんばれっ。
桜井先輩は今、他の人と横で並んで同率一位の状態。
いける!!
すると、桜井先輩と並んでいた人が少し前に出て、そのままゴールした。
あー。
あんなに接戦だったのに。
でも、かっこよかったな。
と、そこで一位になった人の顔に見覚えがあることに気がつく。
この前の集会で短距離で入賞したっていって表彰されてた人だ。
たしか、陸上部のエースだったような...。
ってことは、桜井先輩すごすぎでしょ!!

