そんなこと、言い切れないじゃん。
まあ、私には邪魔する勇気さえも持ってないから、ないかもしれないけど。
でも私とこんなに話すことだって、今日が初めてに近いのに。
信用なんてできるかわからないじゃん。
それに...。
「私は、桜井先輩と祐奈ちゃんにとっては、邪魔な存在なんです」
そう私が言うと、後藤先輩は目を少し見開いて、こちらを見る。
私はそれを気にせずに話を続ける。
「祐奈ちゃんは桜井先輩のこと好きなたくさんの女子は邪魔だと思ってると思います。それに、桜井先輩は祐奈ちゃんだけでいいのに、他の女子に好かれるなんて、邪魔くさいに決まってます」
「...それは、違うよ」
ビクッ。
ふつうの明るい後藤先輩の声とは違う、低い声に驚く。
でも、すぐに明るい表情、声に戻して。
「うまく言えないけどさ、俺にそんな恋愛とかよくわかるわけじゃないけどさ、片岡ちゃんは邪魔じゃない」

