「ああ、あのことね」
って、わかるの?!
「みなみっちには話してたんだよ。結構前に“美音のこと好きでしょ?”って言われてから」
「え、えええええ、え?!」
ずっと俊ちゃんと一緒にいる私でも気づかなかったのに、明日香は気づいてたの?!
「だってわかりやすかったもーん。俊斗くん、いーっつも美音のこと愛おしそうな目で見てたから」
「え...え、ええ」
「みなみっち、そんなこと改めて言うなよ...。俺、これでも美音のことは終わらせるって決めたんだから」
そうだ、俊ちゃんは前に進むんだ。
それが私にはなぜか寂しく感じた。
「よく頑張った、俊斗くん!!」
明日香は俊ちゃんの頭を髪の毛がぐっちゃぐちゃになるくらいぐしゃぐしゃっとする。
案外、この二人の組み合わせもいいんじゃ...?
って思ったのは、言わないでおこう。