桜井先輩がこっちを向いて「俺には？」っていう仕草と口の動きをしてきた。
これは...俺の名前は呼ばないの、っていうことなのかな？
ってことは、読んだほうがいいのかな？
「桜井、せんぱーい？」
すると、桜井先輩は俊ちゃんと笑いあったかと思うと、頭の上で大きな丸を作った。
あ、これでよかったんだ。
その後、何人か観戦に来ている人がいて、私もそこに行って座って試合を見た。
前半が終わり、1-0で勝っているけど、ゴールしたのは他の人だった。
惜しい場面は桜井先輩も俊ちゃんもあったんだけどな。
それにしても、サッカーってこんなに面白くて、かっこいんだ、なんて思っていたら。
休憩中の桜井先輩に近づいていく女の子が1人。
あ、あの人、かわいいって有名な三浦先輩だ。
桜井先輩と三浦先輩の話している様子から見て、ただの友達には見えない。
