「お、もう行かないとな。じゃあ、また」
その言葉に「はい」と返事はしたものの、“じゃあ、また”の言葉に引っかかった。
また、ってことは明日とかも来るのかな?
こんなところに来て、何が楽しいんだろう。
そして次の日。
「片岡さん、こんにちはっ」
「こんにちは」
すると、じーっと私の方を見てくる桜井先輩。
どうしたのか聞こうと口を開こうとしたけど、それよりも先に口を動かしたのは桜井先輩で。
「この前から思ってたんだけどさ、何描いてるの?」
「あ、ここから見える風景を描いてるんです。まだ途中なので見せれるようなものじゃないんですけど」
「へぇー」と言って感心するそぶりをみせた桜井先輩は、私に驚くことを言った。
「じゃあ、完成したら見せて?」
「え、でも、下手だし...」
それに、風景画が一番絵の中で苦手なものなんだよね。

