「...は、はい?」
桜井先輩が言った言葉に、俊ちゃんが答えている。
もう、他の人たちはいなかったから、今まで何か2人で話してたのかな?
“俺に任せとけ”
俊ちゃんが言ってた言葉を思い出した。
もしかして、これに関係があるのかな?
でも、ここで飛び出して行ったら、話を聞いていたと勘違いされるかなって思って、2人の後ろ姿が見えなくなるのを確認して、学校を出た。
それにしても、桜井先輩の顔を見ると、あの姿がパッと浮かんでくる。
「さすがに、キスはきついなぁ...」
ハッと口から言葉がこぼれていることに気がついて、口をふさぐ。
周りを見渡してみると、誰もいなくて、それがわかって安心する。
って、今頃先生以外の人がいる方がおかしいか。
電車の中、家までの帰り道、ずっと桜井先輩と祐奈ちゃんのことを考えていた。