「学校行きたくないなー」



なんて言っても、学校をさぼる勇気も持ち合わせていない私は、黙々と学校に行く準備をする。



「行ってきまーす」



春だから、少し肌寒いくらいで、日が当たると暖かい。



そんな暖かい日差しを浴びていると、なんだかほんわかした気分になれた。



「美音ー、おはよ」



いつもの場所で、俊ちゃんが自転車でやってきた。



「あ、そうだ。昨日はごめんね?あと、ケーキありがと!一個俊ちゃん用だったのに、持って帰っちゃったから、今度ジュースでも奢ってあげる」



「お、まじ??楽しみにしてるわー」



俊ちゃんは、昨日の話をしてこない。



昨日、私が泣いたから、気を遣ってくれてるのかな?



だったら、本当に俊ちゃんは優しいな。



でも...。



「気にしないでね?昨日のこと」



やっぱり、気を遣ってもらうのはなんだか申し訳なくて、自分から言ってしまった。