「あの2人。あぁ見えて結構なんでも出来る関係よ」 「………まあ、そうだわなー、あの距離だもんな」 「抱き合ったり。首に顔を埋めたり。あの2人なら余裕なのよ」 「…………へぇ」 この女。面白がってるな? 「…残念ながら俺の心は広すぎるくらいだからな。まぁ楽しみにしてろ〜」 「ふふっ、楽しみね」 ちょうどチャイムが鳴り、カタリ、と音を立てて美月は自席へと戻った。 「………………ふぅ」 自分の頬を覆い、ため息をつく紗彩。 相変わらずため息すら可愛い。