その一方で真離は和樹に貰ったネックレスを無くした事に気がついていなかった。
その事件が世間に明るみになってからは、テレビのニュースで何週にも渡り、資産家の不可解な一家殺人事件として大々的に報じられていた。

しばらくの間テレビをつける度に真離の犯した罪は何度も真離の耳に入った。
その度に真離はテレビの電源を消していた。
一瞬の出来事、ただの仕事…
真離にはそんな割りきりの傍らで、最後に大事な人の大事にしていた物の一部を自らの手で消したあの瞬間の出来事が脳裏に焼き付いていた。