「え、コタくん?オダくんじゃなくて?」 「うん、コタケンジ。 よくみんなオダって間違えるのよね」 「そうだったんだ…。私、オダくんだと思ってたよ」 クラス名簿に書かれている小田健二という文字を指でそっと撫でる。 これでコタケンジって読むんだ…。 「この漢字だし、みんなそう思うよ。あだ名もオダだしね」 「…そうなんだ」 最初はただの隣の席の人への興味からだった。