嘘つきなあなたからの恋文。





仲直りのきっかけは美術の授業だった。


「中間テストも終わったことだし、美術はテストに関係なかったけど今日は息抜きに似顔絵を描きましょう。

描く人は隣の人、今回は点数は点けません。

提出しなくていいから授業が終わったら相手にプレゼントしましょう」


美術の先生が笑顔で言ったのに対し、生徒側の声はとても非難の声が上がる。

だって思春期の15歳、隣同士は男女のペア。


みんな異性の相手を描くのが恥ずかしがって嫌だったのだ。


「うるさい!つべこべ言わず描くの!

点をつけないからといってやる気ない絵を描いたら、やる気のない態度に点をつけるからね!

ほら、スタート!」


非難の声が上がる中、先生は半ば強制的に生徒に似顔絵を描くよう促した。

すると、最初は文句言ってたみんなも笑いながらペアの似顔絵を描き始めた。


私もみんなと一緒になって隣の人に身体を向けると鉛筆を握って、真っ直ぐ見つめた。