「それから2週間くらいかな、お互い話しかけなかった。
意地の張り合いだったわ。
私もコタくんに怒ってて、コタくんも私の態度に怒ってた。
お互い自分が悪くないって…相手が謝るまで話しかけようとは思わなかったの」
今考えたら本当に馬鹿だった。
あの時間がどれだけ貴重な時間だったか、あの時の私には分からなかった。
『最初で最期の大きなケンカ覚えてる?
2週間話さなかったね…すごい後悔したよ。
2週間もの時間を小さな意地で無駄にしてしまったんだから』
コタくんの手紙の一節を思い出してまた後悔が増す。
「結局どっちが謝ったの?」
「コタくんよ。
…何度も言うけどコタくんは大人だった」
そう、大人だったからこそ…。


