先日お医者さんにやりたい事を全てやりなさいと言われました。
その言葉の意味は自分の身体だからこそすぐに理解しました。
やりたい事、すぐに思いついたのがこの小池さんへの手紙です。
どうしても小池さんに伝えたかった。
だから最初で最後…人生初めてのラブレターを書きました。
僕の身体はもうすぐ…動かなくなります。
そしてその後は息も静かに止まるでしょう。
余命を宣告されてから覚悟はしていたつもりだけど改めてあともう少ししかない命が怖くて堪らないよ。
小池さん…きっとこの先何十年という月日を生きる貴女にお願いです。
何十年分の1の1年しか僕と貴女の思い出はないけれど、どうか僕のことを忘れないで下さい。
1年に1回でもいい。
ふとした瞬間だけでもいい。
あの学校の、あの教室の、あの席で、笑い合った1年のことを少しでもいいから覚えていて。
それだけで僕は君の未来の旦那さんに勝てた気持ちでいれるから…完全に負け惜しみだね。
でも自分がこんな独占欲が強い人間だと残り少ない人生で知れた、そう思えたらこの時間でさえ愛おしく思えるよ。
じゃあそろそろ伝えたいことすべて書ききれたし終わりにしようかな。
小池さん…いや、花梨さん。
僕を幸福にしてくれてありがとう。
貴女の幸せをこれからもずっと願ってるよ。
小田健二より
p.s卒業アルバムの言葉は嘘じゃないよ。
僕は叶えられることを願ってる。


