嘘つきなあなたからの恋文。



そう、小池さんとの日々はとても楽しかった。


だから席替えをして小池さんと離れた時1日だけどとても寂しくて物足りなかったよ。

だって横を向いたらいつもいる小池さんがいないんだ、寂しくなるに決まってるよ。

だから今岡さんに頼んで小池さんと席を代わってもらったんだ。
小池さん、知らなかったでしょ?



ねぇ、小池さん。

小池さんは良く僕の事を大人と言ってたね。

じゃあ、散々席について文句を言っていた田辺くんにすごい腹立った僕を大人だなんて本当に言えるのかな?

小池さんの隣りなんだから1番前なんてどうだっていいだろ、文句を言うなら代わってくれって思った僕は大人気ない?


後ろを振り向いて僕を見た君に意地を張って気にしてない素振りを見せた僕は大人?


僕は君と一緒のただの15歳の中学生だったんだよ。


大人なら今岡さんに無理言って変わってもらう様な自分勝手なことしないよ。


僕は大人じゃなくて、ずる賢い子供なんだ。


だからその後も席替えの度に小細工をして小池さんと僕はあの席になる様にしていたんだ。

きっと鈍感な所ある小池さんは気づいてなかっただろうね。

でも普通に考えてずっと同じ席に、それも2人ともだなんてそんな確率の低い偶然起こるわけないじゃないか。


なのに小池さんは席替えの度に驚いて、そして嬉しそうに喜んでくれたね。


嬉しいと感じると共に少し罪悪感を感じたよ…。

まぁ、今はもう笑い話だけどね。