先輩と、わたし。







「立原。」



「はい!」




「林田。」




「はいっ。」






昨日の2人きり(?)のデートは無事(?)終わり、いよいよマーチングに向けて最後の大詰め練習です。





今は、部長さんによる点呼中。




部長はトランペットの先輩で、ちなみに副部長はサックスの先輩と葉菜先輩なんだ。






「奥村。」





悠哉先輩の名前だけど、誰も返事しない。




「…奥村!」




やっぱり返事の声はしなかった。






って、先輩はわたしの目の前でだるそうにイスに座ってるんだけどね?(笑)





「…奥村!いるなら返事くらいしなさいよ!」





部長がついに大声で怒り出した。




部長はいつも3回目で怒り出す。



いつもはすごく優しい人なんだけど、“仏の顔も3度まで”ってことかな?






ボーッとしてた先輩は、めんどくさそうに部長を見た。





「めんどくさい…。」





「めんどくさいって…、『はい』の2文字じゃない!」





「…声出したくないっていうか。」






素直に返事した方が喋る量は減るし、怒られもしないんだろうけどなあ。




そんな先輩が可愛らしく感じるわたし。





「もう良い!桧山!」




「は、はい!」




「澤木!」




「はいっ!」





先輩のお陰で、そのあとの点呼はいつもより倍くらいのテンポで進んでいった。