「え…っと。」
「内容は良いからさ!したかどうかだけ教えてくれよ!」
飛鳥くん、必死だ。
「…飛鳥くんの話、したよ?」
そう言った瞬間、飛鳥くんの顔がパアって輝いた。
「まじで?ありがと澤木!俺、遊のこと諦めかけてたんだけど、もう1回チャレンジしてみるわ!」
飛鳥くんはそう言いながら、自分の楽器であるクォードを出し始めた。
ええ…、つまり、3回目…?
その真っ直ぐさがまぶしくて少し後ずさりしたら、誰かにぶつかった。
振り返ったら、
「あ、悠哉先輩、ごめんなさいっ!」
寝起きの顔の先輩だった。
先輩はあくびをしながら、わたしの頭に手を乗せた。
「あー、全然大丈夫。それより、花乃、桧山と仲良かったんだな。」
先輩はそれだけ言うと、もうすぐ点呼が始まるのにも関わらず部室から出て行った。
「わたしと飛鳥くんが仲良いなんて勘違いです!飛鳥くん、いつも意地悪だもん…。」
そのとき、飛鳥くんが何かつぶやいた気がしたけど、よく聞こえなかった。
「そういうことじゃねーだろ。…悠哉先輩も苦労するよな。」
