先輩と、わたし。






「…そう言えば、陽大先輩、わたしを連れ出すときに思いっきり『さぼります』って宣言してましたよね?」






萌絵ちゃんの話が落ち着いてわたしは思い出した。




きっと真子先輩、怒ってるだろうなあ。





「えっ、俺そんなこと言ったか?バッテリーの練習を手伝ってもらうっていう口実のつもりだったんだけど!」





陽大先輩、一言もそんなこと言ってなかった。




わたしが首を振ると、陽大先輩の焦りが強くなったのが分かった。





「まじで!俺、無我夢中だったから…!何かに夢中になると、いつも変なことしちゃうんだよなー!」





「陽大先輩はあわてんぼうなんですね。でも、今言わなくても良かったんじゃ…?」






何でわざわざこんなタイミングで言うんだろ。




遥斗先輩に怒られるかもしれないのに。




帰りとか、休憩時間とかでも良かったんじゃないかな。





「こんな話他の誰にも聞かれたくないし、2人で話したかったんだけどさ!花乃ちゃん、ずっと悠哉と一緒じゃん!」