「今は笑ってっけどさっきお前も泣いてたじゃねーか」


反撃するように俺が言うと

「まぁ、男泣き?」


俺と同じ言葉を返してくる春樹が可笑しくて

「おまっ…!ぷっクククククク
アハハハハッハッハッ」


俺も腹を抱えて笑ってしまった


笑いがおさまってきたとこで

春樹に聞く


「じゃあ…もう美波ちゃんに別れ告げんだろ?」

「ああ、そのつもりでいる。」


春樹が真剣な顔つきで力強く頷く。

「ああ〜これでお前と俺はライバルか~」

「ふふっそうだな」

俺らは微笑み合った。


でもな、実際ライバルじゃねぇんだよ。


俺自分でもわかってんだよ。



ハルちゃんは自分で気付いてねぇけど

ハルちゃんはきっと春樹のことが好きなんだろう。


俺の前での笑顔と春樹の前での笑顔は

全然ちげぇ。

そこら辺のやつらがみたらわかんねぇかもしんねーけど

俺はずっとハルちゃんを見てたからわかる


春樹の前でのハルちゃんは顔が『女』だ。


これが決定的な違い。

勝敗なんてもう決まってんだよ


でも…


「俺は最後まで諦めねぇよ。」

春樹に聞こえないくらい小さく呟く。

「ん?なんか言ったか?」


まだ聞かないでくれ、春樹


「なんでもねぇよ!」

俺はいつものおちゃらけた感じで笑った。









世の中そんな上手くいかねぇな。

こんときの俺はあんなことになるなんてまだ知らない。