あれから数週間が経って、美優は中学生になった。

その数週間も、美優はあの悪夢に魘され続けた。でも、その度に家族皆が、美優を見守ってくれた。




美優は"斎藤"から"高瀬"という苗字に変わり、ちょっと違和感があるけど、"斎藤"より何倍もマシだった。




授業初日、初めての授業形式に不安や緊張、ウキウキなど初々しい、そんな空気が混ざり合っている。

美優は不安と緊張でいっぱいだった。

昔から友達作りが上手な方では無いし、付き合い上手でも無い。




だけど、そんな不安も一瞬でぶっ飛んだ。

それは竜と同じクラスになれたから。

でも、小学校からの友達が各人皆居るらしく、仲の良い子同士でお喋りしていて、美優が入る隙間なんてないように感じた。






「美優ー?」

名前の呼ばれた方を見ると、教室のドアの所で慶太が立っている。

嬉しくて、美優はすぐ走って慶太の元へ行った。