「あたし…?」
「はい。
僕、逢沢さんが好きなんです。
付き合ってもらえませんか?」
そんなこと言われても、答えは決まっている。
「ごめんなさい。
お気持ちは嬉しいんですけど、あたしには彼氏がいますし」
「知っています。
小松恭真ですよね」
「はい…。
あたしは恭真が好きなので、新野くんの気持ちには答えられません」
「知っています。
でも、告白しました。
諦めるつもりは、ありません」
「え?」
なんという粘り強さ…。
納豆も驚きだよ……。
「逢沢さんが僕と付き合えないのはわかっています。
ですが、僕が逢沢さんのことを好きな気持ちは抑えられません。
ですから、お願いがあります」
「お願い…?」
そこまで言うと、左腕を突然掴まれた。
そのまま引っ張られ、気が付くと目の前には恭真の背中があった。
つまり今、チサは恭真に守られるように立っているんだ。
「俺の彼女に手出さないでもらえます?」
「丁度良かった。
小松くんにも、僕からのお願い、聞いてほしいんです」
「悪いが、俺は聞くつもりはない。
知紗は俺のモノだから」
束縛宣言していても、大丈夫。
チサは恭真のこういう所も好きになったんだから。