これだけ聞けば、さっちゃんが可哀想だと思うのだろう。
…しかし、さっちゃん自身は気にしていない。
むしろ、本当のことだと肯定するのだ。
「男好き?彼女持ちの男に手を出す?男を手玉に取る?
アハハ、皆凄いね。
それ全部本当のことだよ!
あたし男大好きなの。
皆あたしの虜にしたいの。
彼女がいる男でもあたし好みなら、奪うんだから。
諦めるなんて言うけど、信じられない。
普通彼女持ちでも好きなら諦めないで振り向かせてあげるんだから」
前にさっちゃんの家に行ったとき言っていた言葉だ。
その少々歪んだ性格は、伯母さん譲り。
伯母さんも彼女のいた伯父さんに諦めないでアタックし、とうとう伯父さんが伯母さんに落ちて当時付き合っていた彼女をフッたのだ。
伯母さんも伯父さんも、さっちゃんの性格を否定せず、むしろ応援している。
娘大好きなため、さっちゃんが気に入った男は、両親もさっちゃんと一緒になって奪うと決めているほどだ。
さっちゃん…きっと恭真を好きになった。
さっきチサのことを羨ましい、と言っていたからきっと今彼氏はいない。
さっちゃんの好きな男性のタイプに当てはまる恭真のこと、さっちゃんは絶対気に入った。
さっちゃんが本気でチサから恭真を奪うと決めたのなら、娘大好きな伯母さんと伯父さんも加勢してくれるだろう。
「恭真…。
さっちゃんのこと、好き?」
不安になって聞いてみる。
恭真はチサの彼氏だから…。
誰にも奪われたくないから……。


