でも恭真は、いつだってチサを見てくれる。
告白されても「知紗がいるから」と堂々と笑顔で断る。
何故かチサに告白してくる男子がいたら、「知紗は俺のだから」とまるで王様みたいな口調で男子たちを威嚇する。
チサが困っていたら誰よりも早く気が付いて、助けてくれる。
…本当、絵に描いたような理想の王子様だ。
チサだけを見て、チサだけを愛してくれる。
だからチサも、笑顔でいられるんだ。
「あれ?ちーちゃんじゃん!」
「ん?」と振り向くと。
そこには、見慣れた女の子がいた。
「さっちゃん…?」
「久しぶりちーちゃん!
元気だったぁ?」
チサのことをこの世で唯一“ちーちゃん”と呼ぶ女の子。
関島早苗(せきしま・さなえ)。
チサのママのお姉さんの娘で、チサの従姉妹に当たる。
ちなみにチサと同い年だ。
「ちーちゃんと会えるなんて思ってなかった!」
「あ、あたしも驚いたよ!」
さっちゃんはここから新幹線で2時間ほどかかる場所に住んでおり、滅多に会う機会がなかった。
最後に会ったのは、パパとママのお葬式の日かもしれない。


