「オレずっと、リイナのこと、好きだった」
台本にない台詞を言って行く総司。
カナはそれを、黙って聞いていた。
「でも、オレと一緒にいたら、いずれリイナを傷つけそうで怖かった。
だから、別れようって言ったんだ」
劇中、トウマとリイナは一時期付き合うシーンがある。
でも、トウマを女嫌いにした元カノが現れ、2人は別れてしまうのだ。
そのため、台本にない台詞でも、不自然さはない。
「でも、オレが最も恐ろしいのは、リイナがオレ以外の他の男に取られてしまうんじゃないかってことなんだ」
「トウマ…」
「リイナの傍にいたい。
オレ、リイナしか考えられない……」
その“リイナ”は、“花菜”と思っても良いですか?
「例え…」
「ん?」
「例え触れることが出来なくても、あたしはトウマの傍にいたい。
トウマの傍で、笑っていたい。だから―――」
「うん」
「(また必ず、トウマの元に戻るから。
それまで…待っていてくれますか?)」
「(勿論だ、リイナ)」
カナたち、アドリブ得意かもしれない。
上手く台本の台詞に戻したもんね!
そして。
劇はハッピーエンドで幕を閉じた。
お客さんからは、
溢れんばかりの拍手をもらった。


