「凄いね…花菜ちゃん……」
総太さんの驚いた声が聞こえ、振り向く。
「花菜ちゃんの言った通り、最近総司寝てないみたいでね。
寝ろって言ったんだけど、聞く耳持たなくて。
それなのに花菜ちゃんの声と笑顔で寝るなんて…。
…本当、総司は心底花菜ちゃんを信頼しているんだね」
エヘヘ、何だか恥ずかしいな。
「…花菜ちゃんになら、見せられるかな」
総太さんは眠っている総司へ近づき、その袖をまくった。
「…え?」
「総司を診てくれる医者が言っていたんだけどね。
…総司が女性恐怖症を治せない原因は、これじゃないかって」
「これが…原因……?」
「総司が女性恐怖症になったのは、母親や彼女からされたことが原因だ。
ただ時が経てば、その嫌な記憶は消え、女性恐怖症を治せるかもしれない。
ただ、母親が、自分を忘れないよう、総司にこの傷を植え付けさせた。
…この傷を見る度、総司は嫌な記憶を思いだす。
だからいつまでたっても女性恐怖症を治せないんじゃないかって」
4人も総司に近づき、カナと総太さんが見る総司の“傷”を覗く。
「「「「……」」」」
4人は何も言えなかった。
…確かにこの傷は、
言葉を失ってしまう……。


